その日は暑かった
８月８日は真夏の盛り
暑くて当然なのだが その日は特に暑かった
ただ極一部、局所的にそのライブハウスだけは凍てつくような寒気に覆われていた
２日連続ライブの２日目
前日は高校生時代にやっていたバンドの２０数年ぶりの復活ライブ
前日に１～２時間合わせたダケでのライブ敢行
メンバーである東京に住む友人はプロミュージシャン、
サポートで入ってもらったギタリストはセッション上等、百戦錬磨のギタリスト
彼だけが酷かったのは言うまでもない
それは本人が１番よくわかっていた
そういう事はそういうものだ
それでも彼はそれなりに楽しかった
この日は彼自身がボーカルをとるバンド
これも高校生時代の仲間と数年前に始めたバンドだ
当時流行っていたバンドをコピーする正真正銘、根っからの親父バンドだ
ただこの日は彼が作った曲を演る事にしていた
彼はこのバンドから脱退し、その後解散状態になっていたのだが、
東京に住む友人がバンドを引き連れて帰ってくる
ならば私達も…と、この日限定でこれまた復活する事にしたのだ
しかし同じメンバーでまた同じようにコピーバンドをするのは嫌だった
もぅうんざりだった
土俵際で吊り出されそうになった力士が腰を落とし体を捻って
相手力士を土俵の外へ投げるヤツだったのだ
いや それは"うっちゃり"である
お相撲さんの技である
彼がしているのは"うんざり"だ
うんざりしているのであった
"うっちゃり"ではない
しかし"うんざり"とは何だ
よく言う言葉であり意味はなんとなくわかる
しかしなぜ"うんざり"なのだろう
うんざりの"うん"…
"うん"は大便の"うん"もあるし幸運不運の"うん"もある
運動でもよいし雲の"うん"でもよい
しかし"ざり"とは何か
"ざり"はザリガニしか思いつかない
では"うんざり"とはザリガニのウンコの事か
しかしザリガニのウンコ程度の事でうんざりするであろうか
確かにザリガニのウンコが大量にあればうんざりするであろう
しかしそれはウンコが大量にある事についてうんざりしているのであってザリガニに限った事ではない
例えザリガニ以外、誰のウンコであろうとウンコが大量にあればうんざりするのである
私も犬と猫を数匹飼っているが、朝うんざりする事がたまにある
彼もそれくらいうんざりしていた
何にうんざりしていたかは話の横路散歩中にもぅ忘れてしまったが
彼はとにかくうんざりしていたのだった
たぶんこれを読んでいる方も いつものダジャレ話にうんざりしているだろう
私も思いのほか、長い文章になり"うんざり"してきたので
続きはまた後日である…